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 クリスマス・ツリー

世界のクリスマス伝説の中に「オーディンの樫の木」があります。

8世紀頃のゲルマン人の古い習俗で、オーディン(北欧神話の主神)の聖木である 樫の木に、生贄として人間を捧げる風習があり、そのことに心を痛めていたキリスト教の伝道者が、そのオーディンの樫の木を切り倒しました。オーディンの怒りをかうと恐れ慄くゲルマン人たちに、伝道者はキリストの教えを説きます。そして、倒れた木の間に生えたモミの若木を奇跡の木と言い伝えて行きました。

また、新カトリック大事典には、

クリスマス・ツリーを飾る習俗は中世期末、宗教改革以後で、はじめは常緑樹の枝 を祭壇、窓、天井に挿したり、吊るししたりしていた。やがて常緑樹を部屋に立て 飾るようになった。樅の木以外に、柘植、唐檜、樫も各地で用いられた。ツリーにパン、菓子、果物を飾るような現在の形態は、1605年アルザス地方のシュレットシュタットの記録を初めとする。ゲルマン人の古い習俗では、祝いの行事に森から緑の枝を切って挿したり、飾る慣わしがあり、また、樹木を中心に共同体を作る習慣もあり、宇宙樹、世界樹の観念もある。キリスト教は生命の木、キリストの樹の考えを発展させ、樹木崇拝は否定したが、古いゲルマン的なものを取り入れ、クリスマス・ツリーに独自の象徴的な意味を与えた。

と書かれています。

クリスマス・ツリーやオーナメントには所説ありますが、今のような飾りのクリスマス・ツリーの歴史はそれほど古くないことがわかります。クリスマス・ツリーは宗教と関係なく、日本の家庭でもクリスマスのシンボルとなっています。そして、様々なオーナメントやイルミネーションを飾ることだけがクリスマスを迎える準備のようになっているように思います。しかしながら、目に見える飾りだけではなく、静かな祈りの時を持ち、イエス様を迎えるために心の中をきれいにしていくことが本当の意味での準備ではないでしょうか。そして、クリスマスが新しい年も大切な人が幸せに過ごせますようにと願う気持ちを伝え合う時になればと願っています。