神父様からのメッセージ

神の愛と隣人愛

 神の愛と隣人愛はキリスト教の本質となっています。

 「どの掟が最も重要ですか」という質問にイエス様は次の答えをお与えになりました。

 「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。これが最も重要な第一の掟である。第二も、これと同じように重要である。隣人を自分のように愛しなさい」と。

 神の愛と隣人の愛が並べられて、両方とも「重要」であり、補充しあうようなものです。片方が欠けているなら、完全な愛ではないということです。隣人愛は神の愛の表れとされています。イエス様は、その生活と死によって、この二つの愛を同時に表してくださったのです。

  この二つの愛は分離されることも、対立することもないはずです。使徒ヨハネは、その第一の手紙の中で、このことを次のように明言しています。

 「神を愛していると言いながら、兄弟を憎む者がいれば、それは偽り者です。目に見える兄弟を愛さない者は、目に見えない神を愛することができません」と。(1ヨハネ4,20)

 この二つの愛を生きることによって、神の国が成長して、ますます人間の生き方が完全なものになっていきます。

 この二つの掟を実践することによって、人間社会に深く根付いている利己心、貪欲、不正などの問題に対しての解決を示すことができます。