神父様からのメッセージ

謹賀新年

 金沢教会の九里(くのり)彰神父です。金沢教会のHPに、1月から主任司祭のチプリアーノ神父と交代で、何かひと言書いてほしいと頼まれました。今月号は、自己紹介をさせていただきます。

 私は、生まれも育ちも葛飾柴又、ではなく、神奈川県の横須賀です。家族は、両親と男ばかりの4人兄弟で、末っ子です。4歳の時まではお婆さんがいましたので、私はお婆さんにお守してもらっていたようです。

 家は浄土真宗、母は熱心な門徒でした。月に一回、お寺のご住職がお経を上げに来られ、子供たちは皆、正座し、足の痛みをこらえながら、読経を聞いたものです。幸い、これも小学生までで、後は、母だけがご住職の応対をしていました。

 大学では哲学を長い間(ドイツ留学を含むと足かけ13年間)、勉強しました。思春期に入り、人生の意味に悩んだ挙句、後先を考えず、その答えを得ようと、哲学科に入ったのです。けれども、今振り返れば、その答えは、哲学の中にはなかったのです。大学院で勉強している時、たまたま指導教授のクラウス・リーゼンフーバー神父(イエズス会)の聖書研究会に引き入れられたのが運の尽き。神父のさまざまな勉強会や黙想会や坐禅会に、暇があれば参加するようになりました。そのために私が割いた時間は、哲学科の履修単位をはるかに上まわっていたと思います。

 受洗後二年でイエズス会に入りましたが、若気の至りで、飛び出してしまいました。その後、ミッションスクールで教師をしていましたが、キリストの後に徹底的に従いたいという思いは消えず、奥村一郎神父との出会いを通して、カルメル会へ入会させていただきました。すべては神さまのお導きと、今では感謝の気持ちでいっぱいです。

 司祭叙階後、二年ほど上野毛教会で助任司祭を務め、その後、スペインに留学、霊性神学を学びました。帰国後は、上野毛修道院、宇治修道院、日比野本部修道院(名古屋)、宇治修道院と転々とし、今年5月、突然、金沢広坂教会に移動してまいりました。残された時を、「心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くして」神と教会のためにお捧げしてゆきたいと願っております。神に感謝!

パウロ九里 彰 o.c.d.