神父様からのメッセージ

「ともに歩む」

 新年明けまして、おめでとうございます。

 2022年は、どのような年となるのでしょうか。2020年に始まったコロナの感染は、国内では大分下火になってまいりましたが、オミクロン株という新たな変異ウィルスが登場し、だれもが期待と不安の入り混じった気持ちで、新たな年を迎えられたのではないでしょうか。

 さて昨年10月10日、教皇フランシスコは、2023年10月に開催するシノドス(世界司教会議)の開幕を宣言し、2年間かけてシノドスのテーマ「共に歩む教会のため -交わり、参加、そして宣教―」について共に考えるよう、全教会に向かって呼びかけられました。

 これは、実に画期的なことではないでしょうか。

 ヨハネ23世教皇は、1962年から1965年にかけて第二バチカン公会議を開催されましたが、それは、教会の歴史の中でも未曽有の出来事でした。それまでは、西欧、それも地中海沿岸の国々の司教だけが集まって開かれていた公会議が、全世界の司教がローマに招かれ、さらに東方教会の代表者やカトリック、プロテスタントの学者たちもオブザーバーとして参加し、諸問題について討議を重ねたからです。

 今回のシノドスは、公会議ではありませんが、2年間という時間と、参加者の枠を司教だけではなく、すべての信徒、司祭・助祭、修道者にまで広げて、教会の重要な課題について、互いの意見に耳を傾けながら、共に考えようと招かれています。そこには、何らかの答えを出すということ以上に、共に考え、対話することによって、皆が「共に歩み」、キリストのうちに一つとなって行くようにという、教皇の願いがーそれは取りも直さずキリストの思いですがー込められているように、私には思われます。

 父よ、あなたがわたしの内におられ、わたしがあなたの内にいるように、すべての人を一つにしてください。彼らもわたしたちの内にいるようにしてください。そうすれば、世は、あなたがわたしをお遣わしになったことを、信じるようになります。(「ヨハネによる福音書」17章21節)

パウロ 九里 彰 神父