修道院の窓から

大雪の日曜日に

1 月 11 日から 13 日には 20 年ぶりの大雪になり金沢の積雪は 56 センチになったと報道されました。

14 日、日曜日の教会ミサにはタクシー利用の姉妹達に、私も便乗させてもらいました。道路状況が積もった雪や融雪装置作動のため、歩行困難になっている予測があったためです。教会には 8 時ちょっと前に到着しましたが、積もった雪で聖堂まで真っ白の景色になっており、神父様が一人で雪かき作業をしておられました。

これはちょっと大変な状況だ!と感じ、少しでも信者さんや町の通行人に歓迎の気持ちが見えないと申し訳ない気持ちになり、作業に加わることにしました。

気が付くとベトナムの青年が玄関に立ってスマホ操作に集中していたので、「君も手伝ってくれない?」と促しましたが反応はありませんでした。コートを脱いで私もスコップを手にしてその青年の横を通り過ぎながら、もう一度「手伝ってね。」と声をかけました。

作業に参加してくれた彼の力はすごかった!私が一生懸命やっても地面が見えるところまで積もった雪を持ち上げることができず、いわば表面だけを除雪しているのでしたが、その後ろで彼は地面が見えるまできれいにしてくれました。

ミサ時間のために十分にはできませんでしたが、入り口付近はきれいに除雪されていましたし、ミサ終了後 10 時ミサ前にはさらに大勢の信徒の皆さんが、スコップを手に車から飛び出て、他の方のためにも駐車場所を作るべく協力しておられ、嬉しい気持ちになりました。

ふと感じたことは、高齢少子化の現在と近い将来の私たちの社会や教会の姿です。

単一民族意識が強い国民性は、まだまだ外国人や異文化を気持ちよく受け入れるのが難しいようです。他人種へのヘイトスピーチや排斥デモ、様々な事柄への差別、蔑視用語の氾濫など、私たちに心の陰があるということではないでしょうか。

国内現状は少子高齢化、地方の過疎化が加速化していて、労働力の減少で、産業面でも問題になっています。海外からの青年たちが安価な労働力として雇用されていることは見直されるべきですが、様々な分野で協力を頼まなければならない事態になっているのでしょう。

カトリック教会こそが、このような日本人意識を乗り越えていける力になるのではないでしょうか。異文化、多様性からたくさん豊かさと恩恵を受け取り富まされます。異文化生活を体験した修道会メンバーの確信です。

2018 年 2 月